「ホクロ」を取りたい
「ホクロをとりたい」と受診される方が増えていますが・・・
「ホクロ」で受診される患者さんの関心事は、ほぼ2つです。
ひとつは、皮膚がんの心配、もうひとつはきれいに取れるかどうか、キズあとです。
「ホクロ」受診 ①皮膚がんの心配
②キズあとの心配
①皮膚がんはダーモスコピー・病理組織検査で確認
皮膚がんを心配される方では、ダーモスコピー(明かりのついた偏光虫めがね)で観察します。
ダーモスコピー像
見た目では黒一色のホクロも、拡大すると、このようにまだらです。
左右に横切っている黒い線は髪の毛ですから、かなりの拡大倍率です。
拡張した血管など皮膚がんの特徴はありません。
「ふつうのホクロで、皮膚癌の可能性はほぼないです」と説明します。
ダーモスコピーで、はっきりと診断できない場合は、皮膚の一部を切り取って細胞の検査(病理組織検査)をすることもあります。
②キズあとは「点」か「線」
ホクロを切り取る方法は、紡錘形に切りとって、一直線に合わせる方法(切除縫合)と、くり抜いたままで、縫合しないで軟膏をぬって治す方法(くり抜き)があります。
キズあとは、「切除縫合」では「線」に、「くり抜き」では「点」になります。
ほくろのある場所や大きさによって「切除縫合」か「くり抜き」か、どちらが良いか判断します。
メスでくり抜きをすることが多いですが、炭酸ガスレーザーでくり抜きと同じように切除することもあります。
③「レーザーでほくろをとってほしい」とよく言われます
炭酸ガスレーザーで焼き切るのも、メスで切り取るのも、くり抜く大きさや深さは同じです。
したがって、キズあとも当然同じです。
なぜか、多くの方がレーザーで取るとキズあとが残りにくいと思い込まれています。
ただ、レーザーで取る場合は、ほくろの深い部分をある程度残すことで、キズあとが残りにくくしている場合もあるようです。
何年か後に、黒い点が出てくるなど、ほくろが再発してもかまわない場合は、レーザーで浅い部分だけ削ることもあります。
いずれにしても、手術については、実際に施術する医師によってかなり違いがあるので、事前に相談することが大切です。