徳島 皮フ科・形成外科 まつもと皮フ科

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皮膚のお話

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「虫さされ」の予防

2018.08.17
徳島グランヴィリオホテルで開催された談話会(第21回徳島皮膚アレルギー談話会)において、「虫による皮膚疾患の診断と治療―トコジラミ刺症、マダニ刺症を中心に―」という演題で、兵庫医科大学の夏秋優(なつあきまさる)准教授のお話を聞いてきました。

ハチ、ネコノミ、イエダニなどのお話もされましたが、興味深かったのはトコジラミ(ナンキンムシ)でした。講演では、虫の画像など情報が盛り沢山でしたが、簡単にまとめてみました。

トコジラミというと、古い家やキャンプ施設にいるイメージがありましたが、実際には通常の宿泊施設、一流ホテルにもいます。夜寝ている間に刺され、赤くなって強いかゆみが出るまでに1~2週間かかることもあって、どこで刺されたか判らないことも多いようです。また、トコジラミがスーツケースに入り、それを自宅に持ち帰ってしまい、家族全員が被害に遭うこともあります。さらに、不都合なことに、トコジラミの駆除は、専門業者でも難渋します。おすすめの業者は、日本ペストコントロール協会が紹介しています。自分で駆除する場合は、ピレスロイド系の除虫剤(キンチョールなど)は効かず、バルサンまちぶせスプレーなどのカーバメイト系が効きます。

マダニに対しては、虫よけスプレーなどで、刺されないようにする対策が大切です。虫よけ剤の有効成分「ディート」は、以前国内では最高12%でしたが、2016年からは30%と高濃度のものが販売されるようになっていますので、効果の持続時間が長くなりました。ただ、生後6ヶ月のお子さんには「ディート」は使用できませんので、「イカリジン」の虫よけを使いましょう。

少し前に話題になったヒアリは、刺された痛みが強いことも問題ですが、それとは別に、スズメバチ・アシナガバチとの交差感作の問題もあります。刺されてショックになる(アナフィラキシー)のは、刺されるのが2回目以降に起きるのが通常ですが、交差感作が起きると、初めてヒアリに刺された人でも、それまでにスズメバチなどに刺されたことがあればショック状態になる危険性があります。

他にもいろいろなことを話されていましたが、詳細はまたの機会にご紹介いたします。
2018.08.17 19:02 | 皮膚のお話
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