徳島 皮フ科・形成外科 まつもと皮フ科

電話お問い合わせはこちら
088-676-3214

皮膚のお話

ホーム > 皮膚のお話

レーザー治療 ~当院の現状など~

2019.09.10
レーザー治療 ~当院の現状など~

皮膚科や形成外科の診療で、レーザー治療が広く行われるようになっていますが、現在、使われているレーザーは、主に以下の3種類です。

1)赤あざ(血管腫)に使う色素レーザー
生まれた時からある赤あざに使う「Vビーム」と言われる機種が主流で、徳島県内には2台(徳島大学病院と田岡病院の形成外科)あります。当院にはないので、希望患者さんは、徳島大学病院などへ紹介しています。

2)シミ、あざ、脱毛に使うQスイッチレーザー
Qスイッチレーザーには、3つあります。

①ルビーレーザー          主にシミ・あざ用、当院にあります

②アレキサンドライトレーザー    シミ・あざもとれるし、脱毛にも使えます

③Nd:YAGレーザー         シミ・あざもとれるし、脱毛にも使えます

3)老人性いぼを焼くのに使う炭酸ガスレーザー
顔面にある褐色のもりあがりは、脂漏性角化症(老人性いぼ)といわれる良性のできもので、小さいものは炭酸ガスレーザーで焼きとばします。悪性の可能性がある場合は、レーザーではなく、メスで切除して、病理組織検査(顕微鏡で細胞を観察する検査)に出します。

これらのほかに、美容分野などでいろいろな種類のレーザーが使われていますが、皮膚科・形成外科領域では上の3つが広く使われています。

今回は、当院でよく使っているQスイッチルビーレーザーによる「あざ」の治療についてお話します。

Qスイッチルビーレーザーで治療する「あざ」には、太田母斑、異所性蒙古斑、扁平母斑などがあって、すべて保険が適応されます。
一般的には「あざ」は生まれつきあることが多いため、中年以降に出るのは「シミ」と勘違いして、保険でのレーザー治療をあきらめている方がいらっしゃいます。中年以降に出る「あざ」もあり、保険適応となることもありますので、近くの皮膚科で相談してください。

例えば、太田母斑は、通常は生まれつき顔面の片方だけが灰青色になる場合が多いのですが、10歳以降、または中年以降に出てくるタイプ、左右対称に出るタイプ(ぱらぱら型)、目の下のくまタイプ、目の周り全体のタイプ(パンダ様)もあります。これらは太田母斑類似の病変と考えられ、典型的な太田母斑と同様に、レーザー照射が効くことが多いようです。

実際に、レーザー治療をすることになり、いざ患者さんに具体的な説明をすると、よく言われるのが「照射後2週間は軟膏ガーゼを当てておくのは面倒そうですね。」です。そう言われた際には、「あざが完全に消える場合もあるので、試す価値はある。」と説明しています。

もちろん、きれいに取れない場合もあります。特に、「茶あざ」と呼ばれる扁平母斑の場合は、「きれいに消えるのは半分ぐらいの確率です」と伝えています。照射した方全員が、きれいになれば良いのですが、現在の機種ではここまでのようです。
さらに効きの良いレーザーが、国内外の施設で開発されるのを待っています。
2019.09.10 13:59 | 皮膚のお話

「肌がきれい」ってどういうこと? その2:肌のきめ

2019.03.19
皮膚表面を拡大すると,キルティング加工のように見えます。刺し縫いしてくぼんだ部分は皮溝(ひこう),もりあがった部分は皮丘(ひきゅう)と呼ばれます。この「皮膚表面のこまかな模様」が「きめ」です。



皮丘が規則正しくタイルを敷きつめたように並んでいる皮膚は,肉眼で見ると「すべすべ」「ふっくら」で,皮膚表面どころか皮膚全層が透き通るような,まるで皮膚色の蛍光色で発光しているような印象を与えます。この「すべすべ」は「ツルツル」とは違います。皮膚表面に全く凹凸がなくなった場合(例えば高齢で皮膚が薄くツルツル光っている感じの方などがこれに当てはまります),表面は光っていますが「ふっくら感」は感じられません。実際,水分量・油分量を測定してみると「ツルツル」皮膚では水分・油分ともに低くなっていて,ご本人の感想として「化粧のりが悪い」ようです。

皮溝の走行が不規則になり,皮丘の大きさ・高さ・形もバラバラとなり、皮膚表面に細かいデコボコができると,光を鏡のように反射することができずに乱反射となり,肌がくすんだように見えてしまいます。

「きめ」を整えるには角質層のうるおい、つまり以下の3つが重要です。

1)皮脂膜:皮脂腺から出た脂の膜

2)天然保湿因子:角質細胞の中にある尿素やアミノ酸などで,角質細胞自身の水分を保つ成分

3)細胞間脂質:角質細胞の間のすきまを埋めている脂で,角質細胞をレンガに例えると,細胞間脂質はセメントにあたります。

皮脂膜,天然保湿因子,細胞間脂質の中でも細胞間脂質が一番重要です。



細胞間脂質とは?
 角質細胞同士の間を埋めている脂で,その構成成分はセラミド(50%)や遊離脂肪酸(20%)などです。セラミドは,化粧品にも含まれるようになっていますので,皆さんも耳にされたことがあるかもしれませんが,主にほ乳類の脳や酵母エキスから抽出されます。このセラミドの量を年代別に調べてみると,50才代のセラミド量は20才代にくらべると半分以下になっています。

細胞間脂質を増やすには?
 食事で細胞間脂質の合成量を増やすには,原料となる「コレステロール」を取ります。コレステロールは動脈硬化など生活習慣病の原因となることもあるので,取りすぎは良くありません。目安として,卵を1日1個食べれば十分といわれています。このほかに,イワシやサバなどの青魚に含まれているEPAやDHAなどの脂肪酸も細胞間脂質の補給に有効です。

細胞間脂質を減らさないためには?
 最も効果的といわれるのが,入浴前に椿油などオイルを塗ってからお風呂に入ることです。しかし,家族が何人も同じ浴そうに入る場合はそういうわけにはいきませんので,保湿効果のある入浴剤を使います。また,適度に汗をかくことは,肌の乾燥を予防するのに有効です。基本的には,運動により汗をかきますが,トウガラシなどを使った食事も効果があります。

細胞間脂質を増やし肌のきめを整えるには、上記のように、なかなか手間がかかります。手っ取り早く角質層にうるおいを与えてきめを整えたい場合は、保湿剤をぬります。保湿剤の種類は、市販のものでもかまいませんが、乾燥が強い場合などは、皮膚科で保湿剤を処方してもらいましょう。処方可能な保湿剤が何種類もあり、皮膚の状態や使用感の希望に合わせてもらえると思います。
2019.03.19 13:25 | 皮膚のお話

「肌がきれい」ってどういうこと? その1:肌の色

2018.12.07
テレビの解像度が上がり、女優さんたちはますますスキンケアの手が抜けなくなっています。彼女たちが出る化粧品のCMなどではうっとりするような肌を見かけますが、肌の見た目を左右しているものは,「色」と「きめ」です。

皮膚・肌の「色」を決めるのは,
1)皮膚血管の中にある血液のヘモグロビン
2)皮膚中のベータカロテン
3)真皮の色調を左右するコラーゲン
4)表皮内のメラニン
ですが,なかでも一番強く関係するのがメラニンです。日焼けやシミの主役としてメラニンという言葉を耳にしたことがあると思いますが,メラニンには黒色メラニン(ユウメラニン)と赤・黄色メラニン(フェオメラニン)の2種類があることをご存じでしょうか?

メラニンは色のついた小さな粒で、表皮基底層とよばれる表皮と真皮の境目にある細胞(メラノサイト)でつくられます。チロシンという物質から,黒色メラニンと赤・黄色メラニンが作られます。皮膚にあるメラニンは,黒色メラニンと赤・黄色メラニンがいろいろな比率で混ざった混合型メラニンです。皮膚と同様に、髪の毛の色もメラニンが決め手になっています。ちなみに,日本人の黒髪には黒色メラニンが圧倒的に多く,赤毛には赤・黄色メラニンが多く含まれます。そして金髪には黒色メラニンと赤・黄色メラニン両方ともあまり含まれていません。

さて,そのメラニン色素の産生が増えて,皮膚の色素が濃くなる状態として,ソバカス(雀卵斑),肝斑,老人性のしみ,日焼けなどがあります。これらの治療には、ハイドロキノンとトレチノインの塗り薬が使われます。
ハイドロキノンというぬり薬は,チロシンからメラニン色素がつくられる過程で必要な酵素(チロシナーゼ)のじゃまをしてメラニンがつくられないように働きます。
一方,トレチノインは,ビタミンA類で,皮膚に対しては,細胞の代謝を高める作用があります。皮膚の新陳代謝は約4週間,つまり表皮基底層で新しい表皮細胞がつくられ,徐々に押し上げられて最終的に垢(アカ)として剥がれ落ちてしまうまでに,4週間かかります。トレチノインは,この皮膚ターンオーバーのサイクルを短くします。外用を始めて数日の間で赤みが出たり,ポロポロとうす皮がむけたりしますが,これは実際にトレチノインの効果が現れている証拠です。

ハイドロキノンとトレチノインを併用した場合には,トレチノインにより皮膚代謝の回転が速くなり、メラニンがどんどん掃き出され,ハイドロキノンによって皮膚のメラニンが作られなくなります。メラニンを持ってない細胞がどんどん作られるわけですから,皮膚の色が白くなるわけです。

今回は、きれいな肌を決定する2つの要素のうちのひとつ、肌の「色」についてお話しました。次回は,もうひとつの要素である肌の「きめ」についてお話しします。
2018.12.07 08:46 | 皮膚のお話

雑誌「Cu」で「巻き爪」の取材を受けました

2018.10.19
徳島の地元雑誌「Cu」で「巻き爪」について取材を受けました。足の爪に関するトラブルで、爪水虫(爪白癬といいます。最近は、効果の良い外用液や肝臓などに負担がかかりにくい飲み薬などが出ています。)の次に多いのが、巻き爪や陥入爪です。当院「まつもと皮フ科」は、皮膚科だけでなく形成外科の領域も診察していて、「巻き爪」のいろいろな矯正法に加え、手術もできるため、患者さんが多く、取材で取り上げていただきました。

以前に勤務していた田岡病院では、2007年から2011年の5年間で1000例以上の巻き爪・陥入爪の治療をしました。巻き爪の矯正方法は、主に以下の3種類を使いました。
①超弾性ワイヤーを爪にあけた穴に通して、ワイヤーのしなる力で矯正する(図1)


②VHO式ワイヤーは、フック状の器具を爪の左右の縁にかけてワイヤーで締上げる(図2)


③付け爪(商品名;ペディグラス)で爪の角をカバーしながら矯正する(図3)


「巻き爪」が悪化して、爪の角が皮膚に食い込んで痛みが出たり、ジクジクしたら「陥入爪」と言います。この場合は、手術(フェノール法)も行います。
2011年には、年間で332例の治療をしましたが、内訳は約50%が超弾性ワイヤーによる矯正、約30%が手術(フェノール法)、約10%がVHO式ワイヤーによる矯正、約10%がペディグラスによる矯正でした。現在では、ペディグラスが減っていて、その代わりに超弾性ワイヤーが増えていると思います。
治療法を決めるのに患者さんと相談する際、ほとんどの方がいきなり手術することに躊躇されます。「まずは矯正してからそれでもだめなら手術を考えます。」ということが多いようです。
矯正は比較的簡単にできるのですが、再発という問題があります。以前に調査した結果では、巻き爪矯正した方の40%弱が6か月の時点で再発しているという結果でした。一方、手術の再発は5%以下と低いのですが、爪の幅が生涯ずっと狭いままになること、まれに爪の変形が残ってしまうことがあります。
以上のように、それぞれの治療法には一長一短があります。各自の状態に適し、かつ希望に沿った治療法を選択できるように、よく相談をうけてから、治療法を決めることが大切です。
2018.10.19 13:31 | 皮膚のお話

「虫さされ」の専門家にお話を聞いてきました

2018.08.17
徳島グランヴィリオホテルで開催された談話会(第21回徳島皮膚アレルギー談話会)において、「虫による皮膚疾患の診断と治療―トコジラミ刺症、マダニ刺症を中心に―」という演題で、兵庫医科大学の夏秋優(なつあきまさる)准教授のお話を聞いてきました。

ハチ、ネコノミ、イエダニなどのお話もされましたが、興味深かったのはトコジラミ(ナンキンムシ)でした。講演では、虫の画像など情報が盛り沢山でしたが、簡単にまとめてみました。

トコジラミというと、古い家やキャンプ施設にいるイメージがありましたが、実際には通常の宿泊施設、一流ホテルにもいます。夜寝ている間に刺され、赤くなって強いかゆみが出るまでに1~2週間かかることもあって、どこで刺されたか判らないことも多いようです。また、トコジラミがスーツケースに入り、それを自宅に持ち帰ってしまい、家族全員が被害に遭うこともあります。さらに、不都合なことに、トコジラミの駆除は、専門業者でも難渋します。おすすめの業者は、日本ペストコントロール協会が紹介しています。自分で駆除する場合は、ピレスロイド系の除虫剤(キンチョールなど)は効かず、バルサンまちぶせスプレーなどのカーバメイト系が効きます。

マダニに対しては、虫よけスプレーなどで、刺されないようにする対策が大切です。虫よけ剤の有効成分「ディート」は、以前国内では最高12%でしたが、2016年からは30%と高濃度のものが販売されるようになっていますので、効果の持続時間が長くなりました。ただ、生後6ヶ月のお子さんには「ディート」は使用できませんので、「イカリジン」の虫よけを使いましょう。

少し前に話題になったヒアリは、刺された痛みが強いことも問題ですが、それとは別に、スズメバチ・アシナガバチとの交差感作の問題もあります。刺されてショックになる(アナフィラキシー)のは、刺されるのが2回目以降に起きるのが通常ですが、交差感作が起きると、初めてヒアリに刺された人でも、それまでにスズメバチなどに刺されたことがあればショック状態になる危険性があります。

他にもいろいろなことを話されていましたが、詳細はまたの機会にご紹介いたします。
2018.08.17 19:02 | 皮膚のお話
まつもと皮フ科
〒770-0003
徳島市北田宮4丁目894-1
TEL:088-676-3214
▲ページの先頭へ▲

- CafeNote -