徳島 皮フ科・形成外科 まつもと皮フ科

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皮膚のお話

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ニキビの治療

2020.04.01
「ニキビができた人のうち、2人に1人は皮膚科を受診するんですって、フランスでは。まぁ、違う国の話ですけどね。」

これは、きちんとニキビ治療を受けるように勧めたある製薬会社のパンフレットに書かれた言葉です。
近年、ニキビ治療は大きく変わってきています。
日本では世界標準の治療が、健康保険で受けられます。
ニキビも悩みも小さなうちに、家族や先生に相談しましょう。

ニキビができる過程
1. 毛穴がつまる
2.アクネ菌が増殖する



ニキビの治療
治療のポイントは、「毛穴のつまり」や「アクネ菌の増殖」を抑えることです。
「アクネ菌の増殖」に対しては、以前より抗生剤ののみ薬やぬり薬が使われていました。
しかし、この赤くなったら抗生剤を使う方法では、ニキビあとがどんどんできてしまいます。ニキビあとをつくらないためには、ニキビのきっかけとなる「毛穴のつまり」を予防するのが効果的です。
「毛穴のつまり」予防には、過酸化ベンゾイルとアダパレンの2種類のぬり薬が使われます(過酸化ベンゾイルはアクネ菌にも効果があります)。



これらの薬は、理論的にはすごく良いのですが、かぶれることもあります。



赤くなったり、腫れたりしたら、すぐに相談してください。

このようなことがなければ、長くぬり続けることで、ニキビもあまり目立たなくなってきます。



これらの薬は、思春期のニキビにも、大人ニキビにも効きます。

日常の洗顔は、泡立てた洗顔石鹸で優しく洗い、十分な水で洗い流してください。
強くこすったり、1日に何回も洗顔したりすると、ニキビは悪化します。
1日に1回か2回の洗顔で充分です。
また、化粧品などは「ノンコメドジェニックテスト済み」と表記されたものを使いましょう。
2020.04.01 17:31 | 皮膚のお話

粉瘤が腫れた

2020.03.04
「皮膚にしこりができて、赤く腫れてきた」と来院された方のほとんどは、「粉瘤」が化膿したものです。
粉瘤(アテローム)とは、皮下にできる皮膚の袋で、体じゅうどこにでもできます。
「皮膚の小さなしこり」なので、ふだんは気にせずに生活しているのですが、その袋の中に細菌が入ると化膿して、痛くなります。そうなってから初めて、「皮膚科に行こう」と思われるようです。

化膿している粉瘤の治療は、4段階です。
①局所麻酔をしてメスで切開する
②なかのウミ、角質、皮脂をかき出す
③赤みがひくのを待つ(1ヶ月ぐらい)
④袋を取り残さないように取る(仕上げの手術)




ウミを出しただけで放っておくと、再び大きくなるので、仕上げの手術をすることがほとんどです。
その後には、線状のキズ跡が残ります。
「くり抜き法」といわれる小さく切る方法もありますが、化膿した粉瘤では再発が多くなるので、あまり勧めていません。
できるだけ短い紡錘形の切開で、できるだけていねいに縫合することで、キズが目立たないようにしています。
2020.03.04 17:34 | 皮膚のお話

「ホクロ」を取りたい

2019.12.13
「ホクロをとりたい」と受診される方が増えていますが・・・

「ホクロ」で受診される患者さんの関心事は、ほぼ2つです。
ひとつは、皮膚がんの心配、もうひとつはきれいに取れるかどうか、キズあとです。

 「ホクロ」受診  ①皮膚がんの心配
          ②キズあとの心配

①皮膚がんはダーモスコピー・病理組織検査で確認
皮膚がんを心配される方では、ダーモスコピー(明かりのついた偏光虫めがね)で観察します。
ダーモスコピー像



見た目では黒一色のホクロも、拡大すると、このようにまだらです。

左右に横切っている黒い線は髪の毛ですから、かなりの拡大倍率です。
拡張した血管など皮膚がんの特徴はありません。
「ふつうのホクロで、皮膚癌の可能性はほぼないです」と説明します。

ダーモスコピーで、はっきりと診断できない場合は、皮膚の一部を切り取って細胞の検査(病理組織検査)をすることもあります。

②キズあとは「点」か「線」
ホクロを切り取る方法は、紡錘形に切りとって、一直線に合わせる方法(切除縫合)と、くり抜いたままで、縫合しないで軟膏をぬって治す方法(くり抜き)があります。
キズあとは、「切除縫合」では「線」に、「くり抜き」では「点」になります。



ほくろのある場所や大きさによって「切除縫合」か「くり抜き」か、どちらが良いか判断します。
メスでくり抜きをすることが多いですが、炭酸ガスレーザーでくり抜きと同じように切除することもあります。

③「レーザーでほくろをとってほしい」とよく言われます
炭酸ガスレーザーで焼き切るのも、メスで切り取るのも、くり抜く大きさや深さは同じです。
したがって、キズあとも当然同じです。



なぜか、多くの方がレーザーで取るとキズあとが残りにくいと思い込まれています。
ただ、レーザーで取る場合は、ほくろの深い部分をある程度残すことで、キズあとが残りにくくしている場合もあるようです。
何年か後に、黒い点が出てくるなど、ほくろが再発してもかまわない場合は、レーザーで浅い部分だけ削ることもあります。

いずれにしても、手術については、実際に施術する医師によってかなり違いがあるので、事前に相談することが大切です。
2019.12.13 13:40 | 皮膚のお話

当院のレーザー治療

2019.09.10
レーザー治療 ~当院の現状など~

皮膚科や形成外科の診療で、レーザー治療が広く行われるようになっていますが、現在、使われているレーザーは、主に以下の3種類です。

1)赤あざ(血管腫)に使う色素レーザー
生まれた時からある赤あざに使う「Vビーム」と言われる機種が主流で、徳島県内には2台(徳島大学病院と田岡病院の形成外科)あります。当院にはないので、希望患者さんは、徳島大学病院などへ紹介しています。

2)シミ、あざ、脱毛に使うQスイッチレーザー
Qスイッチレーザーには、3つあります。

①ルビーレーザー          主にシミ・あざ用、当院にあります

②アレキサンドライトレーザー    シミ・あざもとれるし、脱毛にも使えます

③Nd:YAGレーザー         シミ・あざもとれるし、脱毛にも使えます

3)老人性いぼを焼くのに使う炭酸ガスレーザー
顔面にある褐色のもりあがりは、脂漏性角化症(老人性いぼ)といわれる良性のできもので、小さいものは炭酸ガスレーザーで焼きとばします。悪性の可能性がある場合は、レーザーではなく、メスで切除して、病理組織検査(顕微鏡で細胞を観察する検査)に出します。

これらのほかに、美容分野などでいろいろな種類のレーザーが使われていますが、皮膚科・形成外科領域では上の3つが広く使われています。

今回は、当院でよく使っているQスイッチルビーレーザーによる「あざ」の治療についてお話します。

Qスイッチルビーレーザーで治療する「あざ」には、太田母斑、異所性蒙古斑、扁平母斑などがあって、すべて保険が適応されます。
一般的には「あざ」は生まれつきあることが多いため、中年以降に出るのは「シミ」と勘違いして、保険でのレーザー治療をあきらめている方がいらっしゃいます。中年以降に出る「あざ」もあり、保険適応となることもありますので、近くの皮膚科で相談してください。

例えば、太田母斑は、通常は生まれつき顔面の片方だけが灰青色になる場合が多いのですが、10歳以降、または中年以降に出てくるタイプ、左右対称に出るタイプ(ぱらぱら型)、目の下のくまタイプ、目の周り全体のタイプ(パンダ様)もあります。これらは太田母斑類似の病変と考えられ、典型的な太田母斑と同様に、レーザー照射が効くことが多いようです。

実際に、レーザー治療をすることになり、いざ患者さんに具体的な説明をすると、よく言われるのが「照射後2週間は軟膏ガーゼを当てておくのは面倒そうですね。」です。そう言われた際には、「あざが完全に消える場合もあるので、試す価値はある。」と説明しています。

もちろん、きれいに取れない場合もあります。特に、「茶あざ」と呼ばれる扁平母斑の場合は、「きれいに消えるのは半分ぐらいの確率です」と伝えています。照射した方全員が、きれいになれば良いのですが、現在の機種ではここまでのようです。
さらに効きの良いレーザーが、国内外の施設で開発されるのを待っています。
2019.09.10 13:59 | 皮膚のお話

きれいな肌 #2肌のきめ

2019.03.19
皮膚表面を拡大すると,キルティング加工のように見えます。刺し縫いしてくぼんだ部分は皮溝(ひこう),もりあがった部分は皮丘(ひきゅう)と呼ばれます。この「皮膚表面のこまかな模様」が「きめ」です。



皮丘が規則正しくタイルを敷きつめたように並んでいる皮膚は,肉眼で見ると「すべすべ」「ふっくら」で,皮膚表面どころか皮膚全層が透き通るような,まるで皮膚色の蛍光色で発光しているような印象を与えます。この「すべすべ」は「ツルツル」とは違います。皮膚表面に全く凹凸がなくなった場合(例えば高齢で皮膚が薄くツルツル光っている感じの方などがこれに当てはまります),表面は光っていますが「ふっくら感」は感じられません。実際,水分量・油分量を測定してみると「ツルツル」皮膚では水分・油分ともに低くなっていて,ご本人の感想として「化粧のりが悪い」ようです。

皮溝の走行が不規則になり,皮丘の大きさ・高さ・形もバラバラとなり、皮膚表面に細かいデコボコができると,光を鏡のように反射することができずに乱反射となり,肌がくすんだように見えてしまいます。

「きめ」を整えるには角質層のうるおい、つまり以下の3つが重要です。

1)皮脂膜:皮脂腺から出た脂の膜

2)天然保湿因子:角質細胞の中にある尿素やアミノ酸などで,角質細胞自身の水分を保つ成分

3)細胞間脂質:角質細胞の間のすきまを埋めている脂で,角質細胞をレンガに例えると,細胞間脂質はセメントにあたります。

皮脂膜,天然保湿因子,細胞間脂質の中でも細胞間脂質が一番重要です。



細胞間脂質とは?
 角質細胞同士の間を埋めている脂で,その構成成分はセラミド(50%)や遊離脂肪酸(20%)などです。セラミドは,化粧品にも含まれるようになっていますので,皆さんも耳にされたことがあるかもしれませんが,主にほ乳類の脳や酵母エキスから抽出されます。このセラミドの量を年代別に調べてみると,50才代のセラミド量は20才代にくらべると半分以下になっています。

細胞間脂質を増やすには?
 食事で細胞間脂質の合成量を増やすには,原料となる「コレステロール」を取ります。コレステロールは動脈硬化など生活習慣病の原因となることもあるので,取りすぎは良くありません。目安として,卵を1日1個食べれば十分といわれています。このほかに,イワシやサバなどの青魚に含まれているEPAやDHAなどの脂肪酸も細胞間脂質の補給に有効です。

細胞間脂質を減らさないためには?
 最も効果的といわれるのが,入浴前に椿油などオイルを塗ってからお風呂に入ることです。しかし,家族が何人も同じ浴そうに入る場合はそういうわけにはいきませんので,保湿効果のある入浴剤を使います。また,適度に汗をかくことは,肌の乾燥を予防するのに有効です。基本的には,運動により汗をかきますが,トウガラシなどを使った食事も効果があります。

細胞間脂質を増やし肌のきめを整えるには、上記のように、なかなか手間がかかります。手っ取り早く角質層にうるおいを与えてきめを整えたい場合は、保湿剤をぬります。保湿剤の種類は、市販のものでもかまいませんが、乾燥が強い場合などは、皮膚科で保湿剤を処方してもらいましょう。処方可能な保湿剤が何種類もあり、皮膚の状態や使用感の希望に合わせてもらえると思います。
2019.03.19 13:25 | 皮膚のお話
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